妻が何でもないような口調でそう言うので、幸太郎の目の奥がジンッと熱を帯びた。

その熱が涙となって流れ出ないように気を付けて、幸太郎は妻に背を向け、茶碗にご飯をよそった。


「家事は今まで通り手伝うから」

「ありがとう。がんばってね」

背中に暖かな応援を感じて、幸太郎は目元をぬぐったのだった。