自分が妻の立場だったら、きっと同じように無言になってしまっただろう。

「飯にするか」

幸太郎がそう言って炊飯器へ向かった時だった。

「ねぇ、もう1度作ってみないの?」

「え?」

幸太郎は振り向いて妻を見た。