蜜でも出ているのだろう。

また木か……。

幸太郎は瞬きを繰り返した。

自分が意識しているせいかもしれないけれど、今日はやけに木に縁がある日だ。

幸太郎は腰を上げ、蟻たちが群がっている木にそっと触れた。