食堂を出た幸太郎は来た道を戻りはじめた。

もう1度ハローワークへ行ってみよう。

今度は正社員だけじゃなく、パートやバイトでも探してみよう。

そう思いながら、無意識の内にスーツのポケットにレシートをねじ込んだ。

しばらく歩くと新しくできた本屋さんが見えて来た。

市内で一番大きな本屋と言う事で、この前ローカル番組に出ていたことを思い出した。

幸太郎は本屋の前で立ちどまった。

幸太郎が普段利用している本屋は家の近くにある、小さな古書店だった。