考え方をポジティブに持って行ったおかげか、少しだけ気分が上向きにり、お腹の虫が鳴りはじめた頃だった。

店のドアを開けるとカランカランと涼しげな音が鳴り響く。

「いらっしゃいませ」

タエの元気な声が聞こえて来て、幸太郎は肩の力が抜けて行くのを感じた。

食堂の中はカウンターの5席しかなくて、一番奥の席でカレーを食べている男性客が1人だけいた。