リストラされた後会社からの再就職先の斡旋があったものの、この年齢から正社員での再就職は難しく、どれも自分の能力を発揮できないものばかりだった。

それでも我儘は言っていられない。

とにかく今の生活を続けなければならないのだ。

子供はすでに家を出て独り立ちしているけれど、ずっと専業主婦をしていた妻がいる。

今までは自分の給料だけで十分にやってこられたから、共働きをするなんて考えたこともなかった。

だけど、今は幸太郎のために妻が週に4日ほどスーパーでアルバイトをするようになっていた。

そんな妻を見ていると、申し訳ない気持ちと不甲斐なさに襲われた。