友の両手がタエの体を包み込んでいた。

咄嗟の事で逃げる事もできず、タエは大人しく夕に抱きしめられる形になってしまった。

「よかった! 俺、振られる覚悟だったんだ!」

ホッとした友の声にタエは瞬きを繰り返す。

自分の行った言葉が聞こえなかったのだろうかと、「あたしはタヌキだから」と、繰り返した。

「そんなの知ってる。タエ、なにか動揺することがあったらすぐに耳やシッポが出てるから」

タエを抱きしめたまま友はそう返事をした。

「えっ!?」

友にタヌキだとバレていることはさっきの詩でわかっていたけれど、自分の変化が失敗していることなんて気が付いてなかった。