「あたし……」

タエは友と視線を交わせることができず、俯いてしまった。

きっこのタイミングで自分も好きだと告白するべきなんだろう。

人間が描いた漫画などでは大抵そうなっている。

だけどタエは何も言えなかった。

自分がタヌキだからという理由だけじゃない、告白をする勇気が一気にしぼんでしまったのだ。