「き、今日は浜辺を散歩していたから」

いつもならスラスラと会話ができるのに、友の事を意識しすぎてうまく話せない。

視線はキョロキョロと泳いでしまうし、手はせわしなく握ったり開いたりを繰り返した。

「そうなんだ。夕方の浜辺は綺麗だよね」

「とっても」

「今度、一緒に歩かない?」

友からの突然のお誘いにタエは心臓が止まってしまうかと思った。