それはタエがとてもよく知っている声で、顔を上げる。

そこにいたのは友だったのだ。

たった今友に会った時の事を考えていたタエは、唖然としてしまった。

「どうしてそんなに驚いてるの?」

友にそう聞かれて、タエは慌てて左右に首を振った。

「お、驚いてなんて!」

友はタエの耳がピコンと出て来てしまっているその姿にほほ笑んだ。

「今から帰り? 今日は随分と遅いんだね?」

太陽はすでに西の空に沈んでしまい、星空が見え始める時間帯だった。