だからね、マミはみんなと一緒にいられるようになったから、もう誰も寂しくないんだよ。

そう言って、明美の手を握りしめる。

「どうか、この帽子を受け取って。もし必要なくなったなら、その時はまたこの帽子は風で飛んで、必要な人の場所へ行くと思うから」

そう言って、明美はタエにむぎわら帽子を被せたのだった。

ようやく分かった気がする。

あのレシートが意味していた物は、缶の中の宝物じゃない。

幸せレシートのおかげで幸せになった人たちのことだったんだ。

和斗、幸太郎、明美。

幸せになったみんながタエを応援してくれている。

みんな、タエにとって宝物だったんだ。