けれど、簡単に受け取る事ができるものじゃなかった。

「大丈夫だよ。このお帽子はね、風に飛ばされても誰かのところに辿りつくんだから!」

マミが自信満々にそう言った。

「そうなんだ?」

「マミのお父さんがこのお帽子を拾ったの! そしたらね、このお帽子が明美お姉ちゃんを連れて来てくれたんだよ!」