それからタエは人間が大好きになった。

野生動物を狩る人間しか知らなかったから、彼の存在はタエの中でとても大きなものになった。

元気になったタエは森に帰ったが、住処を食堂のすぐ近くに移動した。

いつでも彼に会いに行けるように、食堂に遊びに行けるようにしたかったからだ。

それから長い年月が過ぎていき、タエはとっくにタヌキの寿命を過ぎていた。

神様のイタズラか、それとも人間への恩返しの時間をいただいたのか、タエは変化できるようになった。

一体自分がいつまで生き続けることができるのか、どこまで生き続けるのか、タエ本人にもわからない。