堤さんからもらったタッパーは折り畳み式のテーブルの上に置いてある。

テレビはないけれど、辛うじてラジオは電波を拾ってくれていた。

部屋の中には沢山の本があるが、そのどれもが人間とあやかしの人情物語だった。

タエも人間の世界ではあやかしと呼ばれているらしく、怖がる人もいるけれど仲良くなれる人も沢山いるようだった。

しばらくラジオを聞いてぼんやりと休憩したタエだったが、体を起こすと棚の奥からお菓子の缶を取り出した。