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店が終ると、タエは裏口から出て森の中へと入って行く。

少女だったその姿は一瞬にしてタヌキへと変化した。

二足歩行のタヌキはタッパーを大切に抱えて森の中を歩いて行く。

岩と岩の間にできた隙間がタエの家だった。

入口にはちゃんと玄関があり、葉っぱをくっつけて作ったドアがある。

中へ入ると、人間の家と同じような部屋が広がっていた。

岩の屋根からぶら下がっている懐中電灯をつけて、座椅子に腰を下ろすとホッとため息を吐き出した。