その上、最近では彼の事が気になりはじめていた。

これは人間で言う恋というものなのだと、タエは薄々感づいていた。

タヌキだって恋愛感情はあるけれど、それは子孫を残す目的で存在していることがほとんどだった。

でも、人間の場合は少し違う。

子孫を残す事に直結していない場合もある。

タエはそういう人間特有の恋愛感情がとても憧れだった。

子供をもうける事や自分の利益を抜きにしても、一緒にいたいと感じられる。