「こうやって昔の看板を大切に使うってのはいいなぁ」

「もう随分ボロボロだよね。店は綺麗にしたのに、看板だけ昔からのだ」

「あぁ。この看板は俺の爺さんが書いたんだぞ」

雄介叔父さんの言葉に友は驚いて「えっ」と、目を見開いた。

そんな話は聞いたことがない。

「友にとってはひいひい爺さんになるかな? 大正時代だ」

「そんな昔からの看板なんだ? それにしては書き方が違うんじゃない?」

昔の横文字は右から左へ書かれていたように思える。