「途中までは。で帽子がどんどん遠くへ飛ばされていくのが気になって、途中で拾いに行ったんです」

「そうだったんですか……」

明美は青い海へと視線を向けた。 自分がプロポーズをされている間、この人は帽子を拾うため海に入っていたのだ。

そんなこと、全然気が付かなかった。