「本当に持ち主が現れるなんて思ってなかった」

旦那さんの方は半分くらい茫然とした様子で明美を見た。

「拾ってくださってありがとうござました」

明美は旦那さんへ向けて深々と頭を下げた。

「いえ。あの、お会いできたら聞きたいと思っていたことがあるんです」

「え?」

「あのプロポーズの結果がどうなったのか、どうしても気になって」

旦那さんはそう言い、頭をかいた。

「見ていたんじゃないんですか?」