「でも……」

「さっき、なにかを聞きたそうにしていましたよね?」

女性にそう聞かれて、明美は少女の帽子へと視線を向けた。

「はい。帽子について聞きたかったんです」

「あぁ。あの子の帽子がどうして大人用なのか気になったんですね?」

「それもあるんですけど、見覚えがあるものだったので」

明美がそう言うと、女性は驚いたよう目を見開いて明美を見た。