「合計で900円です。千円お預かりします」

タエが馴れた手つきでレジを終わらせる。

和斗は100円のお釣りをもらい、レシートはいらないと断ろうとした時だった。

タエがとても小さな声で「あっ」と呟き、そして笑顔になった。

「おめでとう。これは君のレシートだよ」

「これって……」

和斗はレシートを見つめたまましばらく呆然とした。

これは最近噂になっている、あの占いレシートじゃないかと思い当たったのだ。

海の見えるどこかの食堂でご飯を食べると、占いが書かれた黄色いレシートが出てくる。

そこに書かれていることは良く当たるのだ。

和斗はジッとタエを見た。

タエは笑顔でうなずく。