けれど、お腹が大きいから思うように動けないようだ。

咄嗟に明美は少女に手を差し伸べていた。

「大丈夫?」

そう言いながら立ち上がらせて服についた砂をはらってやる。

少女の膝は少しだけ擦りむいていて、血が滲んでいた。

「すみません、ごめんなさい」

少女の母親が頭を下げながらそう言い、少女の横に膝をついて座った。