次の瞬間には明美は立ち止まり、少女が被っている大きなむぎわら帽子に釘づけになっていた。

むぎわら帽子の赤いリボンが風に揺れている。それには見覚えがあり、一瞬唖然としてしまった。

少女が明美の手前辺りまでかけて来て、砂浜に足を取られて転んでしまった。

大きなサイズのむぎわら帽子が砂浜に落ちる。

ツバの後ろの部分は少しほつれていて、それに気が付いた瞬間明美の体は震えた。