「そっちに逃げたぞ!」
「大丈夫だ。アキが待っている」
「また、アキのところかよ?!」
「アキの奴、何人目だよ。俺が連れてきたメスもアキが壊していたぞ?」
「しょうがないだろう?そういうルールなのだからな。ほら、次の祭りに行くぞ!それとも、アキの後で壊れてなければやるか?」
「そうだな。昨日は、一匹にしか出してないからな。アキの後で犯すことにする」
「殺すなよ?」
「そんなヘマはしないよ。薬漬けにして売るのだろう?」
「あぁアナルも犯しておけよ。薬漬けの後に好きものが買い取ってくれるからな」
「わかった。わかった。また、汚えケツの穴に入れるのか?」
「お前、好きだろう?」
「そういうお前だって、穴ならなんだって良いのだろう?」
「違うぞ!お前と違って、ガキは相手にしないからな」
「そうだな。俺はお前と違って、オスには手を出さないからな」
そこに、髪の毛を引っ張りながら1人の女性を引きずった男が現れた。
「アキ!もう壊したのか?」
「あ?」
アキと呼ばれた男は、浴衣姿で服装が乱れて局部が顕になっている女性の腹を蹴る。女性は反応すらしなくなっている。
「殺してないよな?」
「大丈夫だ。生きている。初物じゃなかったけど、締りはよかったぞ?後ろは初めてだったようだから鉄の棒を刺したらいい声で泣いたぞ、うるさかったから殴ったら右耳がちぎれたけどいいよな?後ろは使えないけど、他の穴は使えるぞ?」
「死んでなきゃいいよ。残念だったな。ムロ。使えないな」
「いいよ。次に期待だ」
「祭りのときなら攫っても平気だ」
「薬は?」
「いつもの場所に置いてある。攫ったオスにも薬をキメろよ」
「わかっている」
ムロと呼ばれた男は、廃墟の奥の部屋にぐったりとしている女性を引きずっていく。
その部屋には全裸になっている男女が10名程度放置された状態になっている。
「これで、『若者の乱れた性』現場の出来上がりだな。あとは、売人が勝手に連れていくのだろう」
ムロは、食パンを無造作に投げる。
男女は群がってパンを貪るように食べる。排泄もその場でして男は女を犯して女も受け入れる。女は男の上にまたがって腰を動かす。
「俺たちも良いことをしているよな!メスは満足して腰を振るようなるし、オスは好きにできるし、俺たちには金が入る。メスは仕事がもらえる!誰も困らない!」
--
娘は2年前の夏祭りに彼氏と出かけてから帰って来ていない。
彼氏の湯沢くんも一緒に消えたことから駆け落ちでも下のかと言われたが、結婚に反対していなかったことや湯沢家からも歓迎されていた。二人が駆け落ちする必要は一切なかった。
元気だった妻も体調を崩して冬には肺炎を患って帰らぬ人となった。湯沢家も執拗なマスゴミの取材という名前の狂気にさらされて、最初は奥さんが続いてお兄さんが最後には旦那さんが自殺した。
娘たちが居なくなった夏祭りの1週間後に隣町の廃墟で薬を使った乱交パーティーが行われていて数名の男女が逮捕された。娘と湯沢くんもここに居たのではないかと言われた。湯沢くんの空の財布が近くに落ちていたからだ。
夏祭りに出かけた二人。
娘からの最後の連絡は「プロポーズされた!最高のお祭り!」だ。
娘が最高だと言った祭り。
今年も1人で迎えるのかと思っていた。
警察から2年前に行方不明になった娘が見つかったと連絡が入った。
警察についてすぐに病院に行くように言われた。
地下で眠る娘と再会した。物言わぬ娘の亡骸はやせ細っていた。健康だった肌は土色になっている。変わってしまったが娘で間違いない。首には、なにか締められたような痕がある。顔も殴られたのだろう・・・。
怖かっただろう。痛かっただろう。
警官は2課を名乗った。そして、娘の死は事故死だと言われた。
殴られた痕があり、首を絞められた痕があり、なによりも全裸だ。そんな状態で事故死のわけがない!
無情にも告げられた事実を理解することは出来なかった。
娘は、複数の薬物の常習者で薬物中毒による死亡だと言われた。
被疑者死亡で起訴されることが決まったと告げられた。
どうやって家に帰ったか覚えていない。
マスゴミが来る前に逃げ出す。娘と湯沢くんが管理して住むはずだった場所に逃げる。嫁が死んでから経営していた会社は信頼できる人に譲った。私一人だけなら困ることはない。
『どうしました?』
昔から世話になっている弁護士に連絡をする。事情を説明したら、すぐに会いに来てくれた。気のいい男だ。
彼は事情を聞いてすぐに行動を起こしてくれた。
私は持っていた資産を売却した。活動資金が必要になるからだ。湯沢さんが持っていた山の名義を変更した。
彼から紹介された探偵を雇った。探偵の親しい警官を巻き込んで事情を調べてくれた。
探偵の努力もあって大まかな事情がわかった。
主犯格は3名の男だ。有名企業や政治家の子息だ。大手病院の子息も居た。
他にも関わった者たちが居る。探偵を使って調べ上げた。総勢49名。全員の素性が割れた。弁護士の彼には事情を説明しないで縁切りをした。私の祭りに彼を巻き込まないことに決めた。探偵は、私の祭りに参加すると言い出した。彼の身内も奴らの犠牲になっていたのだ。
彼の紹介で反社の人たちとも知り合った。彼らも奴らを認識して潰そうと思っていたようだ。金を渡して手を引いてもらった。私の祭りにはふさわしくない。しかし、祭りにはテキ屋が必要だ。彼らから仕事を頼める人を紹介してもらった。
資産を売却した金銭を使って祭りの会場設営を行った。金さえ払えば物品を用意してくれる人たちは居る。
最後の物品の導入を持って祭りの準備は終わった。
「49名の招待を行いましょう。まずは、主要の3名ですね」
「その前に、死体を2つお願いします」
「そうでした。私と貴方が死んだことにしないと面倒ですからね。でも、よろしいのですか?」
「問題ないですよ。貴方こそよろしいのですか?今なら戻れますよ?」
「戻る?面白いことを言いますね。こんな最高のお祭りに参加させないなんてひどいですよ」
「そうでした。もうしわけない」
3日後に、死体が手元に届いた。
遺書を残して私の代わりになってもらう。警察関係者の中に居る協力者がうまくやってくれるだろう。
ははは。なんていう天恵!
娘の誕生日に祭りが始められる。最高のお祭りになるのは間違いない!
「彼らの様子は?」
「悪態をついていますが、出された食事やアルコールは警戒していないですよ」
「そうですか、女性に持っていってもらっているのがよいようですね」
「それで?」
「すでに犯していますよ」
「ハハハ。楽しいですね」
配膳の女性は、祭りに招待した49名の中に居た人だ。関係者の中に夫や恋人が居る。もちろん、動画を撮影して招待した人たちに見てもらっている。46名のうち女性は5名で残りの41名は個室を用意した。椅子に座ってもらっていますが、暴れられても祭りがつまらなくなってしまうので拘束した。
女性には首輪をしてもらった。外したら電流が流れるようになっている。彼らが娘と湯沢くんにしたように薬漬けになってもらう。薬のためなら夫や彼氏以外も求めるようになった。
椅子に拘束している参加者の中で心が弱かった者が死んでしまった。残念だ。祭りはまだ中盤にも差し掛かっていないのに・・・。
しかし、死者が出てしまったので、中盤に予定していたイベントを行うことにした。
参加者もきっと喜んでくれるでしょう。
「3人の様子はどうですか?心が壊れるような逃げ方をされたら祭りが白けてしまいますからね」
「わかっています。女性に相手をしてもらっていますし、精神安定剤を混ぜた食事を美味しそうに食べています」
「それは良かった」
さて女性の中で二人を選びます。元探偵が選んでくれました。元探偵の身内を嵌めた女性です。
「えへ。なんでもします。ちんぽを咥えたら薬をくれる?沢山、沢山、欲しいの!」
「汚いですね。必要ないですよ。それよりも、二人に頼みたい仕事があります」
「「はぁーい。なんでもします」」
良い返事です。
のこぎりとナイフと包丁と金槌を渡します。途中退場した人を材料に料理を作ってもらいます。椅子に固定している人たちの食事は今日から彼女たちが作る人肉が材料です。残っている人たちは、彼ら3人の世話をしている者を除くと30名になってしまいました。
「半分に減ったら次の段階に移行しましょう。彼らは?」
「騒いでいますが、大丈夫です。他愛もないことです。状況判断が出来ないのか、父親の権力に縋っています」
「それはいいですね。それでは、最高のお祭りの終わりを始めましょう」
--
ネットに流れた動画は、数ヶ月前から行方不明になっていた3人の男性だ。
椅子に固定されて、首輪をして全裸の状態だ。モザイクもなく配信されている。覆面だけをした全裸の女性が現れて男性器を咥えてから挿入する。その後、満足したのか抜いてから眠らせてから指を切り落としたり爪を剥いだりする。削除されても、削除されても動画が復活してくる。
最初は女性が挿入までしていたが、勃起しなくなってからは薬で強制的に勃起させてから、死体と思われる女性を抱かせる。何度も何度も繰り返す。死体の女性が使えなくなったら、今度は死んでいると思われる男性を抱かせる。躊躇しないで薬を使わせる。勃起させるだけではなく、精神安定剤も大量に投与される。
自分が行ったことを告白すれば3人のうち1人は助けると機械音声が流れると、3人は自分たちの罪を告白した。
しかし、父親たちが失脚するには十分なインパクトを世間に与えた。
椅子に拘束された状態で死んでいる15名と薬漬けで意識がはっきりとしない女性3人と身体を引き裂かれた女性2人と複数の男女と思われる死体を警察が発見したのは動画が流れてから1週間後だった。
警察が踏み込んだときには、独白した3人は姿かたちもなかった。
そして、壁には血文字で「最高のお祭り」と書かれていた。