「おばさんにちゃんと連絡しなさいよ。弟の方は結婚報告までしに来たのに、兄の方は全然顔見せないんだから。透も何だかんだアンタには甘いのよ。」

「・・・そうかな。」

「そうに決まってんだろ。全く、アンタ達は要らんとこばっか似てんだから性格も似なさいよ。晩御飯要らないでしょ。お風呂沸かしとくから、さっさと帰って来い。」

「千鶴。」

「何。」

「最期まで一緒にいてくる?」

「いるわよ。アンタと透が死んじゃっても、おばさんだって私だって。毎日墓参りにいって毎日愚痴ってやる。」



「もう話すことはないな?以上!」やけに明るい声を最後に、端末が沈む。


スグル、俺も透も、たった一人に出逢えたよ。
クソッタレな人生、クソッタレな運命だけど、まだ捨てたもんじゃない。
母親や千鶴を置いて行く不安も、恐怖も後悔もずっとあるけど。


こんなクソッタレな人生、こんなクソッタレな運命、絶望して、怒って、諦めて、泣きじゃくって。そういうみっともなさを愛していこう。