「営業時間外って・・・、サービス業かよ。」
「サービス業だよ。愛故のな。」
「・・・」
本当に、自分には勿体無い相手だと思う。惜しみ無い好意と、自暴自棄な俺を叱咤する鋭い声が。
本当はもうずっと、彼女がくれるのと同じか、それ以上の熱量の想いを彼女に抱えている。


「何黙ってんだコラ。」
「透、結婚するだろう。」
「・・・。」
「どう思った?」
「『クソッタレな人生、後悔なんて無くなるはずないんだから、恨んで、憎んで、諦めて。今迄通りでいいから、一秒の幸せに酔いしれんのも忘れるな。』って言っておいた。」
「・・・そうだよなぁ。そうなんだよ。クソッタレな人生だもんなぁ。」

吐き出す息が白い。空を見上げたって、生憎の曇り空で星の一つも輝かない、さみしい夜だ。でもきっと、忘れられない景色になる。

「あのさ。」
「何よ。」
「俺のこと好きって、ずっと言ってくれてただろ。」
「過去形にすんな。現在進行形だボケ。」