身支度を済ませたあたしは、すぐに修平の家に向かう。


……なんて言ってくれるかな?

“吉良”の表札前、ドキドキと想像するのは、何度も姿見でチェックした、あたしのコーデ。

モノトーン調で大人っぽいし、このワンピなら、修平だって気に入ってくれると思うのよね。


──ピンポーン。


チャイムを押すと、間もなく中から菫子ちゃんが現れた。


「あら、沙弥ちゃん」

「おはよう、菫子ちゃん」


中に入れてもらい、ひとまずホッと変装用のサングラスとマスクをはずす。

今日は簡易バージョンだ。


「頑張ってね!」

「もちろん!」


ありがと、菫子ちゃん……っ!

ガッツポーズをくれた菫子ちゃんに、あたしはキラキラと目を輝かせながら、拳を握り返した。


と、その時。