「無理だよもう。全然わかんないもん。そろそろ答え教えて? ねっ?」

「駄目です。欠点は避けたいんでしょう?」


ううぅ……そんなあ。

これじゃあ、テストどころか課題すら終わんないじゃない!


「鬼ーーっ! もうクビよ、クビぃっ!」


どうにも我慢できず、あたしは日野っちを無理やり部屋から追い出した。

言いだしたのはあたしの方だけど、まさかここまで厳しいなんて思わなかったんだもん。

しょうがないよね?

とは言え。


「はぁ……」


これからどうしたらいいものか。

溜め息混じりに椅子に座った時、はっとある考えが浮かんだ。


この手があった……!


バカバカバカ。

あたしってばなんですぐに気づかなかったんだろ。


急いでケータイを手にして、メール画面にこう文字を打ち込んだ。



“修平こんばんは~。
明日、勉強おしえて?”