「なによー、いいじゃない別にー」


あたしは露骨に唇を尖らせる。

すると、大きく溜め息をついた日野っち。

そのあと、素早くキリッと表情を引き締めたかと思うと。


「あなたに大事なお話があります」


そう、ものすごーくひっくい声を響かせた。



「な、なんでしょう......」


ゴクリと息を呑む。


“日野っちこわぁ〜い”


なんておどけて返せるようなそんな空気、一切ここにはない。


……なに?

なんか、とんでもなく嫌な予感がするんだけど……。


その予感は、最悪にも見事に的中した。