「おはようございまーす!」


土曜の朝9時。

あたしはいつもより何倍も、何十倍も明るい声を響かせ、スタジオに入っていく。


……はぁ、心底気分がいい。


自然と緩んじゃう頬。

気づけば零れちゃってる鼻歌。


だって今日は、特別なんだもん。



楽屋で衣装に着替え、メイクさんにお化粧してもらったあたしは、急いでエレベーターホールまで戻ってきた。

そわそわ、そわそわ。

胸の辺りに手を当てながら、一人壁にもたれて立つ。


あー早く来ないかなぁ〜。


「……!」


扉が開いたその時、あたしは一直線に駆け出した。

目線の先に捉えたのは──。