「ごめんね! もう、これから気をつけるから」


にっこりと笑顔を向ける。

ちゃんと笑えてたかは、わかんない。

でも。

そうしないと、堪えられないから。


「じゃあね!」


くるりと踵を返す。

そのまま下駄箱に引き返そうとした、刹那。


「待て」


パシッと手が掴まれた。

なに、と見上げたその直後、聞こえてきた一言に。


「えっ……えぇーーっ!?」


あたしは驚きと歓喜に満ちた、そんな声を上げたんだ。