しばらくしてから先生が入って来て、数学の試験用紙を配り始めた。
前の席から回ってきた用紙を受け取ろうとして、めまいがすると思った時には用紙を落としていた。
今一瞬、視界がかすんだ。
さらにすさまじい眠気が僕を襲う。それもそのはずだ。
一星学園の中間試験は、一日で行われる。
国語理科社会英語数学をたった一日で行うのである。
加えて連日の長時間の勉強もあり、僕の脳は限界に達していた。
だが、ここで眠ってしまったら今までの努力が全て無駄になってしまう。
何より、生まれて初めて全力で頑張ろうと思ったその気持ちに、自分で報いたい。
なるんだ、生徒会長に。
あの子に会うために。
「試験、始め」
先生の声が教室に響いた。
用紙が一斉にめくられる。
最後の試験、全力でやりきってみせる。
僕は試験にとりかかった。