「そんであとは純粋に学年二位になりうるだけの努力は評価されるべきやし、なんで生徒会長になりたかったのかの答えを俺はまだ聞いてへんからな。生徒会で一緒やったらなんぼでも話す機会あるやろ?」
「な、なるほど」
「まあ俺ん中では貴基があんなに言うっちゅうのに心動かされたってのはあるかな。人の見る目のあるあいつが言うなら間違いない。ちゅーて、俺は生徒会長になれへんやったんやけどな。だからまあ、代わりにあんたを妹に推薦したっちゅうわけや」
さっき貴基が言っていたのはこういうことか。
貴基には、感謝してもしたりないくらいの恩ができてしまったようだった。
今度ご飯でも食いに行こう、もちろん僕の奢りで。
そこで何度でもお礼を言おう。
貴基。本当にありがとう。
お前のおかげで僕は―
「慈眼先輩、よろしいですか?」
感傷にふけっていたところに声をかけられる。
あの時と、変わらない美しさを見せる両の目。
それが美しいのは、それそのものが輝きを放っているからではなく、それが飾らないからだ。
隠しごとなど全くない、まっすぐな感情がこちらに伝わってくる。
その純粋さが、美しいのだ。
「あらためて、あの時はありがとうございました。ハンカチを拾ってくれたなんて、ささいな動機ですけれど、それでも慈眼先輩のおかげで私はこの学校をより良くしたいと思うようになりました。先輩のような優しさを持つ人でいっぱいになって欲しいと思えました。それでその……そういう人を増やすためにも、先輩の力をお借りしたいんです。最初はお兄さんが推薦する人だって聞いて、今日は様子見のつもりでした。でも先輩なら、私にきっかけをくれた先輩になら、安心して生徒会役員の職をお願いできます。ですから―」
