あの子の瞳、知りたくて


話すのは水曜日以来だ。

「おう、慈眼くんやないか、お久しゅう」
「トラやん、久しぶり。ってまだ五日くらいしかたってないけどな」
「まあまあ細かいことは気にしなんやな。どうや、最近元気か?なんか休んでたて貴基から聞いたが」
「ああ、まあ別に元気だよ。えーとその、なんだ。トラやんは残念だったな」
「残念?ってああ生徒会長選挙のことかいな。あんなん残念も何もあるかいな。聞き終わった瞬間に負けたてわかったわ。完敗や」

完敗と言う割には嬉しそうにしているトラやんだった。
そこでふと気になっていた疑問をトラやんにぶつけてみる。

「なあ、トラやんはともかくなんで僕まで生徒会室に呼ばれたんだろう?」
「んー?その話か。まあ行ってみたらわかるで。もう着くしな」

気付けばもう生徒会室の目の前だった。
生徒会室の扉の前に立ち、少し緊張してドアをノックする。

「失礼します」
「どうぞ」

部屋からは、透き通った声が返ってくる。
その返事を聞いて中へ入る。
するとそこには、昨日ぶりに見たあの子の姿があった。
そして一目僕をみるとはっと気が付いたようで、

「あ!あのときの!その節はどうもありがとうございました」

と声をかけてきた。
やっぱり覚えていてくれていたのか。
あらためてそう実感して嬉しくなる。

「なんや?知り合いなんか二人は」
「ええ。というか先輩が私のハンカチを拾ってくれたまさにその人なんです、兄さん」
「そうだったんか!いやあ妹が世話になったなあ慈眼くん」
「その通りですよ。慈眼先輩がいたから私は生徒会長になろうと思えたんですから」