水曜日、朝。
僕はいつもよりかなり早く家を出た。
当然、試験の結果を見るためだ。
焦るような気持ちで、通学路を走った。
校門をくぐり、玄関に入る。
上履きを履いて向かうのは、当然一階の長廊下である。
ここには二年生の中間試験における点数が掲示される。
廊下中に人の名前と点数、そして順位が書いてあるのは圧巻の光景である。

急ぎ足で向かった二年の掲示板の前には、トラやんが立っていた。
掲示板に近付くと、こちらに気付いたようで振り返る。

「おお、慈眼くんか。慈眼くんも結果見に来たんやなあ」

余裕そうな立ち振る舞いのトラやん。
視線の先は、掲示板の上位の欄をとらえていた。
僕も思わず、その視線の先を追う
そこには―

二年中間試験結果

一位、天願対我―487点
二位、夢宮慈眼―486点

そう、確かに記してあった。
一点差で負け、か……。
現実が重くのししかかってくる。
ただただ、悔しかった。
本気の努力が実を結ばないことが、こんなにも悔しいなんて知らなかった。

これでもう、僕が生徒会長になれる可能性はほぼゼロである。
後は、トラやんが辞退するかどうかにかかっている。