「大丈夫かジゲン?なんか先生が声かけてたみたいだが」
貴基が心配してこちらにやって来た。
「ああ、大丈夫。ちょっと気絶しちゃってただけ」
「気絶!?お前、よっぽど疲れてたんだな。保健室とか行って来たらどうだ?」
「そうするよ。ありがとう貴基。わざわざ心配してくれて」
「おう、気にすんな。早く行ってこい」
「うん」
そのまま席を立ち僕は教室を後にする。
保健室に着くと保険の先生が何かあったのかと聞いてきたので、試験中に気絶した旨を話した。
そうするとすぐに横になるように言われたので、ありがたくそうさせてもらった。
眠りにつく前に、僕は考える。
これで何とか試験は全て終了した。
心残りがあるとするなら、数学の見直しができていないことだが、そこはもう仕方がない。
でもそれを除けば、間違いなくどの教科も100点に近い点数が出せているはずだ。
僕の人生の中で、最大限の努力。
その努力の成果が、テストの点で現れて欲しいものだ。
生徒会長になったら、やっとあの子に会うことができる。
瞳の美しい、心の清らかなあの子に。
そんなことを考えていると、意識がぼやけていき、やがて消失した。
起きたのは2時間ほどたってからで、すっかり日が暮れていた。
保健室の先生に聞くと、僕のクラスのホームルームでの連絡事項は無いそうだった。
それを聞いて僕はさっさと学校を出る。
今日の激闘の余韻に浸りながら、僕は家に帰った。