家を出て1週間ほどが過ぎた。
幸い体調もよく、赤ちゃんも順調。
もしかしたらこのまま妊娠が続けられるかもと、そんなことが思えるようになっていた。
もうすでに、家を出たときのような迷いはなくなった。
どんなことがあっても、赤ちゃんは産むと決心した。
たとえ私ひとりで育てることになったとしても、この子は手放さない。

しかし、そうなれば気になるのが渚のこと。
子供の父親は渚なんだから。
ちゃんと話をする義務があると思えた。

もちろん不安はある。
もうすでに逃げ出しているかも知れないし・・・
元々、渚は結婚も出産も望んではいなかった。

私は何度も携帯を握りなおしながら、
渚の携帯へ・・・

ピッツ、
やっとコールした。