その後、
救命部長なら何とかなるんじゃないかと思い行ってみたが、出張で不在だった。
俺の電話を避けているのかもと思って、同僚の高橋先生に掛けてもらったが樹里亜は出なかった。
結局一日仕事にならなかった俺は、夕方樹里亜のマンションにやって来た。
きっとここにはいないとは思う。
でも、何かヒントはあるはずだ。
「すみません。705号の竹浦樹里亜の兄ですが、部屋の鍵を開けていただけませんか?」
「はああ?」
出てきた管理人に、怪しい人間を見る目で見られた。
まあ、当然だろう。
いきなり現れて兄と言われてもなあ。
俺は名刺と身分証明書を差し出し、
「怪しいものではないんです。妹と連絡が取れないんです」
と繰り返した。
「連絡が取れないって、昼過ぎに長期の出張だと言って出て行かれましたよ」
管理人はまだ俺を疑っている。
「出張?そんなはずはありません」
「そんなこと言われても・・・それなら、ご主人に聞かれてはどうですか?」
はああ?
ご主人って、
「妹は独身ですよ?」
「はぁ?」
俺と管理人の会話は全くかみ合わない。
「とにかく、僕は兄なんです。入れてください」
「たとえお兄さんでも、勝手にお通しする訳にはいきません」
完全に堂々めぐりを始めたとき、
「ああ、ご主人。お帰りじゃないですか」
管理人の一言で、俺は後ろを振り返った。
救命部長なら何とかなるんじゃないかと思い行ってみたが、出張で不在だった。
俺の電話を避けているのかもと思って、同僚の高橋先生に掛けてもらったが樹里亜は出なかった。
結局一日仕事にならなかった俺は、夕方樹里亜のマンションにやって来た。
きっとここにはいないとは思う。
でも、何かヒントはあるはずだ。
「すみません。705号の竹浦樹里亜の兄ですが、部屋の鍵を開けていただけませんか?」
「はああ?」
出てきた管理人に、怪しい人間を見る目で見られた。
まあ、当然だろう。
いきなり現れて兄と言われてもなあ。
俺は名刺と身分証明書を差し出し、
「怪しいものではないんです。妹と連絡が取れないんです」
と繰り返した。
「連絡が取れないって、昼過ぎに長期の出張だと言って出て行かれましたよ」
管理人はまだ俺を疑っている。
「出張?そんなはずはありません」
「そんなこと言われても・・・それなら、ご主人に聞かれてはどうですか?」
はああ?
ご主人って、
「妹は独身ですよ?」
「はぁ?」
俺と管理人の会話は全くかみ合わない。
「とにかく、僕は兄なんです。入れてください」
「たとえお兄さんでも、勝手にお通しする訳にはいきません」
完全に堂々めぐりを始めたとき、
「ああ、ご主人。お帰りじゃないですか」
管理人の一言で、俺は後ろを振り返った。