日がたつにつれ、私の体調不良は悪化していった。
立ちくらみもむかつきも続き、食事が喉を通らなくなった。

マズイなあ。
私の中で、危機感が増していく。

明日は月子先生の診察日。
きっと検査を進められるんだろう。
そうすれば、すべてが分かってしまう。
どうしよう・・・

「どうしたんですか?顔色悪いですよ」
師長が顔を覗き込む。
「あぁ、大丈夫です」
とは答えたものの、ばれるのは時間の問題。

はあぁー。
深い深い溜息をつき、私は受け持ち患者のカルテ整理を始めた。

もし、もしもの時、ちゃんと次の人に引き継げるようにしておかなくちゃと、なぜかそんなことを考えていた。

よし、受け持っている患者の指示は出し終えた。
作りかけの診断書も紹介状もすべて作った。
保健所への届出書類も用意した。
後は、
デスクの整理と、ロッカーの片付け。
部長宛の休職願を机の奥に忍ばせて、私は救急病棟を後にした。