やっぱり、帰ろう。

2時間目の英語の授業まで教室で過ごした私は、カバンを持って教室を出た。


私が早退なんて珍しいことじゃない。

逆に、学校に来ていることの方が珍しいくらい。


それでも先生に会えば小言を言われるから、そっと階段を降りて昇降口に向かった。


このまま靴を替えて、走って学校を出


「どこ行くの?」

ああ。

後ろから声がかかった。


それも、山口先生。


一番会いたくなかったのに。



「来なさい」

やはり、呼ばれてしまった。