保健室一番奥のいつものベット。


「随分眠そうね」

保健の先生も文句も言わずに通してくれる。


そう言えば、寝てなかった。


昨日は、始業式なのに学校を休んだと母さんに文句を言われ、夕方家を出てしまった。


それから・・・

中学時代の先輩愛さんのスナックに行って、悪友達と合流して・・・

店が閉まるまでいた。


後はファミレスで時間をつぶし、今に至る。


確かに寝ていない。


「あー、眠い」


手を伸ばし、大きなあくびをしたとき、



ガタッ、


カーテンの向こうで、物音がした。


誰?


そっと覗いた。


そこには真新しいスーツを着た男子。

でも生徒ではない。

制服じゃないし。


「山口先生。始まりますよ」

教頭が呼びに来た。

って事は、先生?


駆け足で出て行く男子。




かっこよかったなあ。


私はベットから起き上がると、体育館へ向かった。