「梨華、おはよう」

「おはよう」

学校前の坂道を自転車に追い越されながら登って行く。


ああ、だるい。

この坂道を登るのも久しぶり。


まあ昨日が始業式なんだから、仕方ないか。


「おはよう」

後ろから声をかけてきたのは、いつも一緒にいる悪友、美保と拓也。


つい2時間前まで一緒だったのに今更おはようもないもんだわ。



「こらー、急ぎなさい」

校門に手をかけながら、先生が生徒に声をかける。


とりあえず、私達も滑り込みセーフだった。