その日のうちに、月子先生がやって来た。

「こらっ、なんで逃げるの」
メッと睨まれて、俯くことしか出来ない。

「樹里亜らしくないでしょう」
本当に、その通りです。
でも、仕方なかった。

「体調はいいの?」
「はい」

脈を取ったり、聴診器を当てたり、簡単な診察をしてくれる月子先生。

「しっかり休んで、たくさん食べなさい。それが今のあなたの仕事。いいわね」
「はい」

月子先生は、1週間後に診察に来なさいと言い残し帰って行った。