ぼくがいつも目で姿を追ってしまうと言っていた女子生徒。好きかもれしないとサワに告白だってしてしまっていた。

 サワも由麻に手を振り返した。ぼくが知るどの顔よりも、その笑顔は爽やかに見えた。

 そのまま二人は並んで歩き出した。伊藤由麻はぼくより背が高い。歩調を合わせた二人の後ろ姿は実にバランスがよかった。時折、笑顔で二人が見つめ合い、その度に二人の綺麗な横顔がはっきりと見える。誰がどう見ても、二人はお似合いカップルに見えることだろう。そしてその横顔を見て、ぼくは全てを悟った。