強引でどうしようもなく聞こえるけど、私の凍った心を溶かすには充分なものだった。

必死で消そうとしていた気持ちが、涙となって私の目から溢れ出す。




「泣くなよ」




彼は私の涙を拭いながら、優しく笑った。




「好き、なの」

「え?」

「どうしようもなく、あなたのことが好き。もう忘れなきゃいけないって思ったのに、どうしても消せなかった。ずっと、傍にいたくて、」

「もういい」




彼は私の言葉を遮って、私の身体を抱き寄せた。私と彼の距離はゼロになり、彼の体温が私を安心させてくれる。

思わず彼にしがみついた。彼は、そんな私を受け止めてくれる。




「消すな。離れるな。俺のことが好きなら、ずっと傍にいろよ」

「……いいの?」

「俺がそう言ってるんだ、他の奴らに邪魔なんかさせねぇ。何があっても、もう離さねぇよ」

「……っ」

「好きだ」




今までにないくらい優しい微笑みを向けてくれた彼は、ゆっくりと私に顔を近づける。彼を受け止めるように私は目を瞑って、私と彼の顔の距離もゼロになった――