スターライト・ロマンス




「umiereっていうのは、今や若者を中心に絶大な支持を誇る、男性四人組バンド。演奏技術も曲も彼らのビジュアルも全てが評価されていて、今や敵なしなんて言われてるわ。でもそんな彼らのミュージックビデオで、役者が使われたことは一度もないの。ほとんど自分たち、もしくはエキストラを上手に使ってビデオを作ってる」

「それなのに、今回は私にオファーが来たの?」

「そう!だから社長も私も驚いているし、本当に嬉しいの。それだけかりんの知名度が上がって、実力が評価されてるってことだと思うから」




なるほど。ミュージックビデオの仕事はこれまでにもあったのに、どうしてここまで二人が喜んでいるのかわからなかったけど、そういうことなら合点がいく。

どうして私を選んでもらえたのかはわからないけど、見つけてもらえたことは素直に嬉しい。


じわじわと喜びが私の身体を巡る。


仕事をいただけるだけでもありがたいけど、やっぱり社長や菜々ちゃんが喜んでくれるオファーはもっと嬉しい。千秋に言ったら、どんな反応をしてくれるだろうか。


いろいろなことを考えている間に、社長は復活したらしい。

さっきとは違い、真剣な表情で私に言った。