「姉貴、先に風呂入って来いよ」

「え、お皿洗うよ。先に千秋が入ったら?」

「俺は後でいい。早く帰ってきたの久しぶりなんだし、たまにはゆっくり風呂で疲れ取っとけよ」

「……千秋、あんたは本当に可愛いね。ありがとう、じゃあお言葉に甘えて」

「可愛いとか言ってんじゃねぇよ」




そういう反応が可愛いから、私が可愛いと言うことをやめられないんだけど。

そのことは言わずに、私は千秋に片付けをお願いしてお風呂の準備をする。



何があっても、千秋のことは私が護る。

それは両親の葬儀で目を真っ赤にして泣いていた千秋を見て立てた私の誓いであり、千秋が高校生になった今でも変わらない私の気持ち。いつまでも千秋は私の可愛い弟で、両親が遺してくれた大切な宝物。

千秋のためなら私はなんだってできるし、いくらでも強くなれる。


私の人生は、千秋がいてくれて成り立つのだから――