「そういうことを言ってるわけじゃないでしょ。かりんは人気だけど謎が多いから、みんな少しでもあなたに関する新しいことを記事にしたいのよ」

「まあ、ありがたいことか」

「そうよ。かりんの努力だけでは成り立たない仕事だから、こういう取材も大切にしないとね。さ、早く着替えてきなさい」

「了解」




菜々ちゃんに言われて、私は部屋にある簡易更衣室に入った。カーテンを閉めて、すぐに着ていた制服を脱ぐ。

制服って何歳になっても着たら若々しくいられる気がして嬉しいけど、さすがにもうキツイかもしれない。


制服から私服に着替えて、私は更衣室を出る。

菜々ちゃんは真剣な表情で手帳に何かを書き込んでいた。




「菜々ちゃん、お待たせ」

「ああ、早かったわね」

「着替えるだけだから」

「それもそうね。じゃあ、行くわよ。撮影が早く終わったことを連絡したら、向こうも早めてくれるみたいだから。できるだけかりんも早く帰りたいでしょ?」

「うん、ありがたいな」




そんなことを話しながら、私たちは部屋を出た。建物を出て、すぐに車に乗り込む。菜々ちゃんは車を発進させた。