昨日と同じ、今日は雨が降っているけど、またバスに揺られて学校へ行く。
明らかに、あの子に会ったのに…。
今日も結局、あの子の事で頭がいっぱいだった。会えたのによく覚えていないから、余計にそれがもどかしい。学校さえなければ、1日中でも会いに行っていたのに。
家に帰ってもひたすら「あの子」。薄れる記憶を必死につなぎとめて、映像を色褪せないそうにする。そんな時、ふと、思った。
私、少しづつ、もっと都合のいいように脚色していると。
最初はホントにあったことをそのまま、だったはずが、だんだんと思い返すうちに「こんな感じ」とか「こんなだったらいいな」なんてものまで事実(夢での)としていた。
それは、絶対だめ。なのに…
あれをただの「都合のいい夢」としてとるなら、そしてその話を誰にもしないのなら、自分の中で脚色するのは構わないと思う。けど私は「あの子」との出会いとして見ている。それには私とあの子とその世界が関わっていて、私にそれを根元から覆す権利はどこにも無いはずだ。
根本的に言えばそれは単なる私の夢であって、何をしようと権利なんてないと言われるのもわかる。けど、私は多分、あの子との夢を1つの世界としてみて、眠ってる間、あの子に会いに行くんだ。それはもう別々のことだと思う。
…やっばり、もう1度会わなきゃ。
ちゃんと話して、しっかり覚えて、現実に戻ってくるんだ。