家に帰ってきて、1つの結論が出た。

「もう一度、あの子に会う」

もう一度会って、話がしたい。
私は君に縋っていたい。けど、それはきっと駄目なこと。それでも、君は私を認めてくれる?また、追いかけてくれる?
…本当はそれは当たり障りのないつくられた理由で、本心では、もう一度あの子の温もりに触れたかった。
一日で完全に依存してしまった。正直危ない人みたいだと自覚はある。けど、それを求めてしまう間は仕方ないと開き直って自分で自分を認めた。
寝る前に、ネットで「見たい夢を見る方法」と検索した結果、見たい夢をよく思いながら仰向けに寝るというのが最有力候補だった。あと、枕の下は夢に繋がっている…なんて話も聞いたから、枕の下に聞きたいことリストの紙を入れることにした。
…本当に、もう一度会えるのかな?
怖かった。自分の中にしかいないのに、会えるかどうかわからないなんて。
夢を見るために早く寝るなんて初めてでよく寝付けないかと思ったが、案外、気づけば意識は夢の中へ入っていった。



……
………今、何時?
気づいて時計を見ると、朝の6時。
寝ぼけていたが、はっきりと分かった。昨日「あの子」に会ったのも、目覚ましがなる1時間前ー6時に起きて、二度寝した時だ。
よし。絶対、会いに行くからね…待ってて…
……




……
…………
…絶対、会った。
会って、それで、話もした。
…何を?

「あーーーーーーー」
寝起きでカスカスの声を荒らげて、私は枕に突っ伏した。
折角、会えたのに。話もした。凄く、大切なことだった気がする…のに、覚えていない。
しかも今回は、あの子の顔も声も温もりも何も、感じていない…覚えていないだけかもしれないけれど。